いつも母を送迎している東京の国立病院。その近所に、警官が待機する詰所があり、常時警備されている個人宅がある。このネット社会なので、調べたらすぐにわかった。有名な事件を扱っている、裁判官のお宅のようだ。いつもその家の前を車で通り、信号待ちの関係でその家の前に30秒から1分くらい居ることもあるから、道路から見える家の外観をゆっくり眺めたこともある。かなりの広さがあるだろうお宅を取り囲んだ外壁には、何やら機材がついていて、恐らく外部からの侵入者がわかるようになっているのだろう。もしかしたら撃退する仕組みにもなっているのかもしれない。玄関前には警察官がいて、セキュリティの厳重なお宅だということがわかる。
このような万全なセキュリティのお宅にチャレンジしようとする猛者はそういないと思うが、実は家の塀が高いほどセキュリティの度合いは低くなるということをご存知だろうか。塀が高いほど登りにくそうだと思われるが、腕1本か両腕だけで、自分の身体をまるまる持ち上げられる人間というのは結構いる。そんな腕自慢じゃなくても、塀の側にちょっとした足場があれば、軽く飛び越えられるということもある。塀が高ければ内部の様子がわからないのでプライバシーは守られるが、侵入者が悪さをしているのも、外からはわからないという危険性があるのだ。
私のような者が住む安アパートの一室より、塀の高い大きなお宅の方が、財産も沢山あるだろうと、泥棒じゃなくたって考える。危険を冒してどうせ侵入するなら、より儲けの大きそうな大邸宅を狙うだろう。プライバシーを重視して塀を高くするのなら、その中には番犬としてドーベルマン犬などを常に放しておかなければならない。それが無理なら、番犬に代わる心強いセキュリティを、安心のために考えなくてはならないだろう。